下水道Q&A
Q1 下水道ができる前は汚れた水はどうなっていたのですか?
A1 下水道が整備されるまでは、トイレの排水は浄化槽やくみ取り便所を使い、浄化槽で処理した水は側溝などから川へ流れていきました。また、台所や洗濯機などからの排水は、汚れたまま側溝や川に流れて川が汚れる原因になっていました。川が近くにないところでは地下に浸透させていましたが、この場合は地下水を汚すことになります。くみ取り便所でたまったし尿は、昔は畑の肥料として使われていました。
Q2 なぜ下水道が必要になったのですか?
A2 昔は川や湖に住んでいる微生物の働きによって川や湖がきれいになっていましたが、汚れた水が増えたため微生物の働きだけではきれいにできなくなってしまいました。また、家のまわりにドブなどが増えていやなにおいがしたり、病原菌が増えるおそれが高くなってきました。そのために下水道を作って浄化センターで汚れた水をきれいにすることが必要になりました。
Q3 浄化センターへ入ってくる水はどれくらい汚れていますか?
A3 浄化センターへ入ってきた水は、ビンなどに入れて上からのぞくと5cm位までしか下のものが見えません。浄化センターできれいにされた水は1m以上透きとおって見えます。
Q4 汚れた水をどのようにしてきれいにするのですか?
A4 浄化センターでは、ゴミや泥を沈めて取ったり、微生物に食べさせたりすることによってきれいな水にしています。
Q5 微生物はどこから集めてきたのですか?
A5 微生物は、皆さんの住んでいるまわりにどこにでもいる生き物です。例えば川の石の表面や土の中などにいますが、肉眼で見えないだけです。この微生物は台所などからの排水にも少し含まれていて、浄化センターにたどり着くと細胞分裂などでどんどん増えていきますので、集めてきたりはしていません。
Q6 微生物はどれくらいいるのですか?
A6 反応(エアレーション)タンクの水1ccのなかに、普通の顕微鏡(光学顕微鏡100倍程度)で見えるもので約1万匹の微生物がいます。
Q7 なぜ「反応(エアレーション)タンク」と言うのですか?
A7 浄化センターでは汚れた水をきれいにするために、酸素を必要とする微生物を用いています。浄化センターには、汚れた水と微生物を含んだ泥を混ぜ合わせ、空気中の酸素を水に溶け込ませるために空気を入れる池があります。空気を送り込むことをエアレーションといいこの池を反応(エアレーション)タンクといいます。
Q8 水がきれいになるまでにどれくらいの時間がかかりますか?
A8 汚れた水が浄化センターに入ってからきれいにして川に流すまでに約12時間かかります。
Q9 水をきれいにするときにどんな薬を使っていますか?
A9 水をきれいにするときには薬は使いませんが、きれいにした後でばい菌を殺すために塩素という薬を使っています。しかし、川の魚や人間に影響がないように川に流れていく頃には塩素がほとんどなくなるくらいの量を使っています。
Q10 浄化センターできれいになった水は飲めるのですか?
A10 川の水と同じくらいきれいになっていますが、飲めるほどではありません。飲めるようにするには浄水場でもっときれいにする必要があります。
Q11 沈殿池で貯まった泥はどうするのですか?
A11 最初沈殿池で沈んだ泥は、重力濃縮タンクでもっと濃くします。また、微生物によって増える活性汚泥は、最終沈殿池で沈んだ泥の一部として引き抜き、遠心濃縮機に送り濃くします。濃くした二つの泥を一緒にして、水分を除きやすくする薬を加えて脱水機にかけると脱水ケーキというケーキ状のものになります。これをトラックに積んで運び出し、肥料会社で肥料になったりセメント会社で原料の一部として使われています。
Q12 浄化センターでは何人働いていますか?
A12 浄化センターで管理の仕事をしている人は約30人です。中央管理室で機械を監視したり操作したりする人、水質試験室で水の状態などを検査する人、機械を点検する人、そして掃除をする人などです。
Q13 浄化センターにはどのような機械がありますか?
A13 浄化センターには全部で200から300台の機械があり、一番数が多いのはポンプという水をくみ上げる機械です。その他にも、池に空気を吹き込む機械(送風機)や泥の水分をしぼる機械(脱水機)などいろいろなものがあります。
Q14 浄化センターの機械が故障したらどうするんですか?
A14 1台の機械が故障しても水をきれいにし続けられるように、大事な機械には予備の機械があります。機械が壊れたときには予備の機械に切り替えて水や泥を処理し続けながら、故障した機械を修理します。
Q15 停電したらどうするんですか?
A15 浄化センターでは休むことなく水をきれいにしていますが、このためには機械を動かす電気がいつも必要です。停電したときにも機械が動かせるように、浄化センターには発電機という機械があり、停電するとすぐに動かして機械に必要な電気を作ります。
Q16 浄化センターでのにおいの対策はどのようにしていますか?
A16 浄化センターでは、活性炭や微生物などを使った脱臭、薬品を使った消臭や施設の覆蓋によって周辺への悪臭を防止し、あわせて設備の腐食防止、作業環境の改善を図っています。
Q17 処理した水は何かに再利用していますか?
A17 浄化センターのなかで、機械を冷やす水や洗う水、植木などへの散水用の水、場内の水洗便所で使う水などに再利用しています。
Q18 雨水はどうしているんですか?
A18 山梨県の流域下水道は汚水と雨水を分けて汚水だけを浄化センターに集めてきれいにする方法をとっています。このため雨水はそのまま近くの側溝や川などに流すことにしています。
Q19 工場排水も下水道に流せるんですか?
A19 工場やその他の事業所などの排水については、下水道に流すことができる基準値を超えない排水であれば流すことができます。そのために工場内に除害施設(有害な排水を処理する施設)を設けることが必要な場合があります。
Q20 マンホールは何のためにあるのですか?
A20 人が中に入って、中の水の流れ具合、管や機械の状況を調べたり直したりするためにあります。
Q21 下水道管が詰まったらどうするんですか?
A21 下水道管が大きい場合には人が下水道管の中に入って詰まりの原因を取り除きます。下水道管が小さい場合には、専用の機械を使って詰まりを直します。
Q22 浄化センターの人の願いは何ですか?
A22 まず、下水道が使えるようになったら、すぐに下水道につないでほしいことです。そして下水道を使ううえでは、台所などからゴミや油を流さないようお願いします。特に油をたくさん流すと、下水道管が詰まったり浄化センターでの処理がうまくいかないことがあります。